Fateコラボがきっかけで2年ぶりにシャドウバースに復帰したのですが、アンリミテッドがめちゃくちゃ面白くて毎日仕事さぼりまくって遊んでいます。
リリースから時間が経ってカードが増えているので、以前はありえなかったとんでもないコンボで無茶苦茶な盤面が出来上がるのがとにかく面白い。
私は『エイラの祈祷』というカードが好きなので、天狐やレフィーエと組み合わせて回復強化を楽しんでいます。
次はどんなデッキと当たるだろう、この盤面はどう対処したものか、この組み合わせならもっとすごいかも、とあれこれ考えるのが本当に楽しくて仕方がない。
ただ、夢中になって遊んでいるがゆえにどうしても目についてしまうのが、一部の理不尽なカードの存在。
このカードさえなければもっと可能性を秘めているゲームなのに…!と、どうしても思ってしまうことがあったので、今回はシャドウバースのアンリミテッド環境について書いてみます。
目次
『実質nターン勝ち確カード』が多くのカードの可能性を潰した
現在のアンリミテッド環境で遭遇率が高いのは以下のカードです。
アンの大魔法、ギガントキマイラ、スパルタクス、闇喰らいの蝙蝠
これらのカードの共通点は、『実質nターンで勝利が確定する』ということです。
アンの大魔法は、バトル中に使ったマナリアシリーズの枚数によってリーダーにダメージを与える効果をもち、10ターン目に勝負が決する可能性がある。オズの大魔女と組み合わせると7ターンで終了。
ギガントキマイラは、ファンファーレでフォロワーとリーダーにダメージを与えることができ、しかもスペルブースト1回でダメージが1増える効果を持っているため、9ターン目に勝負が決する可能性がある。
スパルタクスは、デッキの最後の一枚を引けばバトルに勝利するという特殊勝利カード。手札をすべて引き直す『新たなる運命』をはじめとするデッキ圧縮系カードとのコンボが鬼のように強い。7ターン目に勝負が決する可能性がある。相手のデッキのカードを増やしたり、ターン開始時のドローを止める手段はないため、実質このカードに対抗する手段はない。
闇喰らいの蝙蝠は、バトル中にリーダーがダメージを受けた回数分のダメージを相手のリーダーに与えることができるカード。自傷カードをうまく回せていると、8ターン目に勝負が決する可能性がある。
『nターンで勝利が確定するカード』なので、対抗手段は、相手の勝利が確定する前に相手を倒すことだけ。
ダメージ系の効果なら、ブローディアなどのダメージ軽減カードで対策はできるのですが、対策型のデッキ構築は攻撃特化のデッキと比べるとゲームを決める力が弱いため、やはり相手の勝利が確定する前に勝ちに行くデッキの方が勝率は安定します。
というわけで、nターン勝ち確系のデッキが猛威を振るっていると、対抗するデッキも同じような戦い方のデッキになるので、ゲームの尺が7~8ターンに固定されてしまいます。
すると、PP8以上の高コストカードや、終盤の駆け引き自体がほぼ意味のないものになります。
この流れがカードゲームとしての天井を低くしていてとにかくもったいないと思うのです。
多分、ゲームの尺が長くなりすぎないよう、ある程度意図してこれくらいのターン数で終わらせようとしてると思いますが、なら最初からPPの最大数を7とか8にすればよいと思うのです。
今までコスト8以上のカードがたくさん出ているのに、ゲーム自体の天井を7ターンに固定させてしまうようなカードを実装するメリットがあまりわかりません。
ゲームが10ターン以上になったらある程度早めに決着がつくように、サタンやバハムートなどの強カードがバシバシ出始めるのは納得なんですけどね。
終盤まできたら、メンコゲーになるのは全然良いと思う。
あと、単純なアグロ系デッキなら全く問題ない。
引き次第ではコンボが決まらないこともありますし、守護持ちや回復で凌ぐことができるので、理不尽さは感じません。
バフ疾走ヴァンプは理不尽とかではなく、素直に強いなと思います。まぁ、手札を強化するタイプなので若干のスペルブースト感はあるのですが…。
これは完全に余談ですが、闇喰らいの蝙蝠の効果はあまり親切ではないと思っていて、相手のリーダーがダメージを受けた回数なんて数えていないんですよね。ゲーム画面のどこにも表示されていませんし。ヴァンパイアは復讐よりも自傷回数を表示したほうが良いのではなかろうか。
最初の邪神はどこからやってきたのか
『実質nターン確ち確カードには、実質nターン勝ち確カードをぶつける』という流れはどこから来てしまったのかと考えてみたのですが、私はウィッチの『スペルブースト』が原因かなと思いました。
パック追加のたびにカードに魅力を作らなければならないから、というのもあるにはあると思うのですが、さすがにそこまで安直な設計はしていないはず。
ウィッチには『スペルブースト』という手札のスペルカードを継続的に強化していくシステムがあり、ウィッチというクラスはこのシステムありきで成り立っています。
シャドウバースには手札へ干渉する手段が存在しないため、スペルブーストの進捗は相手から妨害されることがありません。
なので、リリース当初は『次元の超越』と『フレイムデストロイヤー』というカードが猛威を振るっていました。
本来ならばスペルブーストに対して直接的な対抗手段を用意したいところですが、スペルブーストへの直接的な対抗手段は『手札への干渉』です。『手札への干渉』は、ウィッチというクラスそのものをぶち壊すことになるので実現できません。
だから、間接的な対抗手段として、スペルブーストと同じように不可侵かつ早期に決着がつく戦術を他のクラスにも増やしていき、その結果、今のような環境が出来てしまったのではないかなと。
なぜ手札へ干渉する効果を実装できないかというと、スペルブーストが盤面ではなく手札に恩恵を積み重ねていく効果だからです。例えば『手札のカードをランダムに1枚捨てる』というようなことをすると、ウィッチというクラスそのものが死んでしまうことになります。
このスペルブーストのジレンマが、シャドウバースにおいてずっとボトルネックになっているのではないかと思います。
余談:そもそもウィッチは対戦ではなく一人遊び
ちょっと脱線して、ウィッチというクラスへの不満になってしまうのですが。
カードゲームは盤面での駆け引きが楽しいのですが、ウィッチの場合は手札だけでゲームが進行しているので、あまり対戦向きの仕様ではないなぁと思ったりします。
一人で手札のなかでゲームを進めて、一人で時間を使って考えて、一人でもう一ターン追加で遊んで終わらせる、という感じでほとんど一人遊びになっていると思うのです。
スペルウィッチと戦っていると、相手が一人でスペルカードを使っているだけなので全然面白くないんですよね…。
最近はフォロワーも多いので盤面で戦うこともできるようになってますけど、それでもウィッチと戦っているときは本当につまらない。
たまに遭遇する土の秘術ウィッチは女神。
ネメシスも同じように山札で遊びまくるクラスで、すごい速さでシュパシュパカードを山札に加えていくので、カードを知らないプレイヤーには何をやっているのか全くわかりません。
で、何やってんたんだろうな~とぼーっとしてると終盤に大量に強いカードが出てきて終わる。
盤面の駆け引きが面白いカードゲームと、手札と山札に進捗が蓄積されていくようなクラスとは、相性があまりよくない気がします。
その他の面白さを狭める仕様
ウィッチのスペルブーストと同じくらい遊びの幅を狭めていそうな仕様が他にもあるので触れておきます。
①スパルタクス
スパルタクスはデッキの最後のカードを引くと勝利が確定する特殊効果を持ったカードです。
本来シャドウバースには、デッキの最後のカードを引くと敗北というルールがありますが、このルールをひっくり返すことができます。
シャドウバースには『新たなる運命』をはじめ、ドロー持ちのデッキ圧縮カードがたくさんあるので、デッキの最後のカードを引くことはかなり簡単なのです。
このカードの問題は、山札というプレイヤーが干渉できない場所に勝利条件がある点です。
シャドウバースには最後のカードを引かないようにする妨害手段が存在しません。
妨害手段を用意するなら、相手の山札に不要なカードを放り込んだり、次のターンのドローを一回休ませるなどが考えられますが、スマホ向けのカードゲームとしてはテンポを意識しているはずなので、一ゲームのプレイ時間が長くなる要素は絶対に実装されないと思います。
そんなわけで、スパルタクスはウィッチのスペルブーストと同じく、直接的な対抗手段がないカードです。
似たような効果を持ったカードに『冥府への道』というものがあるんですが、このカードは自分の墓場が30枚以上のときに相手のリーダーとフォロワーに6ダメージを与えるというもので、山札のカードがなくなると自分が負けるというリスクと向かい合わせになっているので許せます。
スパルタクスは、最後のカードをドローすることが勝利条件になるため、リスクがないのです。出したらあとは全力でデッキを圧縮していくだけ。
昔は新たなる運命を手札に二枚同居させてしまったら、一気にデッキ圧縮が回らなくなるリスクがあったので、デッキ圧縮自体がかなり運に左右される要素でしたが、今は手札のカードを一枚消滅させて、全く同じカードを山札に一枚加える『神秘の指輪』という便利カードが実装されているので、デッキ圧縮の安定度が格段に増しました。
そんなわけで私が今のシャドウバースで最も理不尽だと感じるのはダントツでスパルタクスなのです。
②直接召喚
今の環境でウィッチ、スパルタクスに続いてよく見るのが黄金都市とフラウロス。
黄金都市は2ターン目に必ず呼び出すことができ、フラウロスは上手く自傷できれば3ターン目以降は毎ターン呼び出すチャンスがあります。
この仕様、難しい発動条件もリスクもなく発動することができるのですが、二枚ともデッキの要になるレベルの強力なカードなんですよね…。
なぜこんな簡単な条件で呼び出すことができるのか…。
頼む、エイラの祈祷も直接召喚にしてくれ。
…いや、そうではなく。
カードゲームは引きの良し悪しで楽しむ部分がかなりあると思うんです。
なのに、この直接召喚は引き運もへったくれもない。
やるならせめてそれ相応のステップを求めるか、直接召喚されるカードの性能を下げてほしい。
③エンハンスとネクロマンス
エンハンスとネクロマンスはなぜするかしないか選べないのでしょうか。
昔はテンポが悪くなるからかなと思っていたのですが、今やチョイスという仕様があるのでテンポ面で言えば仕様を変えても問題なさそうなものですが。
これを選べたほうが思考の幅が広がって、プレイングに差がつく部分が増えます。
バランスとるのが難しいのか・・・?
邪神戦争から脱するためにはどうしたら良いか
シャドウバースには面白いカードがたくさんあるので、現状の多様性のない環境はなんとかしたいところですが、アンリミテッドはこういうものなんでしょうかね。
ローテーションという形がシャドウバースのバランス調整の方針なのかもしれないですね。最新4パック分はバランスを取りますよ、という。
もろもろ思考を巡らせてはみたのですが、なんにせよ新しいクラスや効果を実装するときに、『直接的な対抗手段を用意できるか』を検証することが大事だと思いました。
手札や山札といったゲームの根幹やテンポに関わる仕様は後から変更しづらく、最悪の場合ゲーム全体がつまらなくなってしまうので、そういう部分に干渉する仕様はなるべく避けて通るか、手を入れてもおかしくならない方法を見つけてから実装するなど、工夫する必要はあるかなと思います。
で、今の状況をどうしたらいいかということについては、強すぎるカードをナーフするか枚数制限をかける、または、昔のカードパックを含んだローテ、アンリミ以外の新しいルールを作る、とかかなぁ。いっそウィッチを禁止に…ってそりゃダメか。
いちいちデッキを組みなおさなくても遊べるのがアンリミテッドの良いところでもあるので、やはり対抗手段のない極端なカードだけナーフしてしまうのが手っ取り早い気はします。ローテーションに関してはどんどん新しいゲームに入れ替わるので問題ないんですけどね。
カードゲームの面白さは、組み合わせの試行錯誤、うまくコンボがきまった時の爽快感、そして盤面での目に見える駆け引きと手札の読みあい、あとはやはり最後の一手までワンチャンスにかけるロマンだと思うので、今後はそういった遊びに寄せたルールやカードが出てくると良いなぁと思います。